Rhagionidae

シギアブ科

シギアブ科は直縫短角類(Orthorrhapha)に含まれるアブの仲間で、これまで世界から16属約700種が知られています。非常に多くの化石が見つかっており、ジュラ紀から白亜紀前期にかけて最も卓越したアブ類の系統の一つと考えられています。

採集が困難な種が多いため、ほとんどの種の生態が未だ不明です。一部の種は幼虫が水棲生活を送ることが知られていますが、多くは陸生と思われます。興味深いことに、シギアブ科の幼虫の食性はきわめて多様です。これまで、昆虫捕食(Rhagio)、朽木食(Chrysopilus)、デトリタス食(Symphoromyia)、コケ食(Spania, Ptiolina, Litoleptis)の種が知られています。

これまでの研究では、コケを食べる3属の生態や進化について調べてきました。

(1) Litoleptis属の幼虫の生態

Litoleptis属は世界に4種のみが知られていた小さな属です。これまで、アラスカ、チリ、フィリピンからそれぞれ1種ずつの現生種と、白亜紀前期の化石種がスペインから発見されていました。

日本各地での野外調査によって、6種の新種を発見、記載しました。また、それらの幼虫がジャゴケやジンガサゴケなど特定のタイ類に潜葉するという生活史を初めて突き止め、これらのアブ類に「シトネアブ」と命名しました。

Yume Imada & Makoto Kato. 2016 Bryophyte-feeding of Litoleptis (Diptera: Rhagionidae) with descriptions of new species from Japan. Zootaxa, 4097(1):41–58. (doi: 10.11646/zootaxa.4097.1.2)

(2) コケ食のシギアブ3属の生活史の解明と幼虫の形態進化

この研究について、academist Journal に記事を書かせていただきました(餌が変われば形も変わるー葉潜り虫の変身物語)。

Yume Imada & Makoto Kato. 2016 Bryophyte-feeders in a basal brachyceran lineage (Diptera: Rhagionidae: Spaniinae): adult oviposition behavior and changes in the larval mouthpart morphology accompanied with the diet shift. PLoS ONE 11(11):e0165808. (doi: 10.1371/journal.pone.0165808)